『寄生獣』
全10巻:岩明均
岩明均の傑作ホラーcomic。ホラーじゃないか。
ある夜空から謎の球体が降ってくる。それは人間の首から上を乗っ取り、他の人間を補食する寄生生物の卵だった。主人公・シンイチは右手に寄生され、それゆえにその寄生生物達に深く関わってゆく。そんなお話。
最初に読んだのはいつだったかな?さらっと立ち読みしたんだけど、その頃少年comicと言えばバトルもの、スポ魂ものばかりで食傷気味だったこともありあっという間にのめり込んだ。
人間が喰らわれるところはかなりエグいです。寄生生物の頭(本体)が食虫植物のように開いてバクッと頭から食べられます。また、本体が刃の様に変形してズバっと切られます。
でもこのcomicの本質はそんなとこにはなく、寄生生物と人間の間で苦悩するシンイチにある。考えさせられるというとちょっと感じが違うけど、読みがいがあります。
基本的に暗いテーマなのにシンイチと寄生生物ミギー(右手に寄生したから)とのなんとなく間の抜けたやりとりでほっとしたり。
途中からシンイチが超人ぽくなっちゃうところが賛否両論あるけど、そうなっても人間らしい弱い部分は変わりなくてそのギャップが逆に良かったと思う。