『トニー滝谷』
2005
監督:市川準
【ストーリー】
美大で芸術を学んだトニー(イッセー尾形)は、デザイン会社へ就職、その後独立してイラストレーターになり、自宅のアトリエで仕事をこなすようになる。
そんなトニーが一人の女性、出版社編集部員・小沼英子(宮沢りえ)に恋をする。
村上春樹の同タイトルの短編小説の映画化。
正直小説やコミックが映像化される時は大体いつも原作をぶち壊さないか不安にさせられるんだけど、これは観る前からwebサイトなんかを観て結構期待してました。
でも映像の光にしても、言葉の使い方にしても、音源にしてもここまで村上さんの原作の匂いと言うか雰囲気を再現出来るとは思ってもみなかった。
クールさというか無表情さというか。
全体的に小説の朗読に映像が付加されたような感じ。ナレーションベースで所々でcastも一節単位で台詞ではなく朗読に加わったり。
まるで小説を読んでいるような気になった。
75分ていうぎゅっと濃縮されたような時間も良かった。
印象に残ったのは宮沢りえが洋服を買いあさるシーン。
大体足(膝から下)が映る歩いている映像。うまく言えないけど、色んな靴でカツカツと歩く音がすごく非現実的で素敵だった。
それにしてもりえさん、やっぱり雰囲気あるね。ものが違うというかさ。
間違いなく僕の今年の1本になりました。